紀伊や若狭など、未だ踏み入れたことのない場所が多くある。マップの霧を晴らしつつ、賊を蹴散らし、クエストがあれば受注する、そんな生活をしている奈緒江。今回は紀伊で何かを企む順次郎を追いかけていこうと思う。実はずっとクエストマークが出ていたけど、見て見ぬふりをしていたのだった。
前回の記事はこちら。

順次郎シェフ

紀伊の西海岸沿いにある湯浅という集落のそばで、順次郎は待っていた。どうやら行脚の旅に出ている宗元様を訪ねた時に汁を作ってあげたいので、具材や味付けを考えているようだ。奈緒江はまつおばばからの言葉を引用し、心を込めて作ればどんなものでもご馳走だと言った。
しかし順次郎は、それはそうだが、その中でも文句なしのものを作りたいと思っているようだった。こうなったらとことん付き合ってやるか。
順次郎いわく、紀伊は醤油が有名なので外せない。餅と大根はもう用意してあるらしい。醤油味の汁、美味しそう!この湯浅という場所も醤油発祥の地の一つとして名を馳せているらしい。それは知らなかった。有名どころの醤油、一度味わってみたい気もする。

奈緒江と順次郎は話し合いながら、他の具材はどんなものがいいか考え合う。宗元の行脚の旅を表すような食材にしてはどうかと言う奈緒江に、順次郎は山道を表す茶色のものが良いと答える。茶色か……まぁ茶色いものってだいたい美味いからな……。
さらに奈緒江は、潮目の変わる中を生きていくことを示す、海のものはどうかと言ってみる。順次郎はいい考えだと言うような顔をするが、宗元は生あるものは食べられないため魚は駄目だと言われてしまった。たしかに僧ってそういうもんか……。そうだけに……。

どんな具材が良いかな。近くにいた商人がクエストアイテムとして食材を扱っていたので、とりあえず全部買ってきてはいた。この中に答えがあるはずだ。順次郎は、紀伊の醤油と、茶色い海のもの(魚以外)を用意してくれと言っている。

買ってきたのは、醤油、魚の塩漬け、大根、ねぎ、昆布、酒。醤油は渡して、残りひとつ食材を選んで渡す必要がある。海のものということで絞られるのは魚の塩漬けと昆布だが、魚は駄目なので必然的に昆布を渡すことになる。昆布って茶色いか?と思ったが、干物にされているので茶色いらしい。
実際に試作してみると、昆布の出汁に醤油がきいていて、大根と餅でとっても美味しいと言っていた。よかったねぇ~。心を込めた汁を宗元様に早く作ってあげたいとはしゃぐ順次郎。本当に優しい子だねと褒めると、弥助もそう思ってくれるだろうかと呟いた。
もちろん、誰よりもそう思うに決まっている!と奈緒江が言うと、順次郎は弥助にもこれとは違う汁を作ってあげたいなと言っていた。これは宗元様用の汁だもんねぇ!弥助には別の具材が良いよね。どんなのがいいかな……。
宗元との再会

前回順次郎と汁を作った場所からかなり東の方にある、那智権現(熊野三山の一社である熊野那智大社の別称)という場所に来た。どうやら宗元からの文によるとこのあたりにいるらしい。探してみよう。行脚で疲れているだろう身体に、順次郎お手製の汁をたらふく飲ませてやる。
周りにいる人たちに話を聞いてみる。熊野詣というのが流行っているのか、同じような僧がたくさんいて見分けがつかないと言っている商人がいた。ほかの僧に訊いてみると、宗元を知っている人がいた!どんなに勧めても、宿にも宿坊にも泊まらずに滝のそばで野宿すると言って聞かなかったそうだ。
滝のそばか。ロケーションは良さそうだが、いまゲーム内は冬だ。雪も積もっているし、たぶんめちゃくちゃ寒いだろうな。こんな真冬に滝のそばで野宿なんかしたら死んじまうぞ。宗元様、もういい年なんだかから身体を大事にして欲しい。何かあったら順次郎が悲しむよ。

見つけた!ほんとに野宿しとる。順次郎も弥助とともにすぐに追い付いてきて、宗元の拵えた寝床をボロクソに言っていた。汚いし狭いし、薪も足りていないと。おれが手伝うと張り切って、弥助と一緒に薪を拾いに行った。
まったくも~、宗元様ったら俺がいないと本当に駄目なんだから!という感じだろうか。久しぶりに会って、自分は成長したことを見せつけたいのかもしれない。可愛い奴め。

順次郎が弥助と楽しそうに薪を拾っている間、奈緒江は宗元と話をする。順次郎の父のこと、言っておいて欲しかったが、そうしない理由もわかると。それを聞いた宗元は、それを知ったとして、その重みを背負って何になるだろうかと言った。
その後、那智の滝と仏様の話をして、広い心を持てばあらゆるものは共に生きてゆけると説いてくれた。何故、順次郎と奈緒江を引き合わせて上手くいくと思ったのかと奈緒江が訊くと、魂の形が重なり合うとその二人は上手くいくのだと言われた。魂の形が見えるのか!?
更に続けて、人の縁とはわからないものだと言う。順次郎を奈緒江に預けて旅に出たら、変わった侍を連れて会いに来るのだからと笑って言った。たしかに弥助は普通の侍とは違っているが、心根が強くまっすぐな男だと奈緒江は評価する。順次郎のそばにいて欲しい者は、他にそうはいないと。
かなり高評価だね!?本能寺の変の後、あんなに弥助を憎んでいたのに……。まぁでもここまで一緒に旅をさせてもらっているわたし的にも、弥助はかなりいいやつだと思う。真面目でしっかりしていて、たまにお茶目な憎めない奴。
奈緒江は宗元に、まだ旅は続くのかと問う。宗元は、西国観音巡礼の道程は長く、まだ旅の始まりだと言っていた。まだ旅を続けるのか!?すごいな。元気なのは良いことだ……。
薪拾いから戻ってきた順次郎は、宗元のためにとびきりの汁を作ると言って作業を始めた。宗元はそれを聞いて、嬉しそうにしていた。

どうかみんながいつまでも元気でいますように。
さいごに

順次郎のサブクエ、これでいったん終了っぽい。けっこう長いこと追いかけてきたけど、順次郎は本当に最初から最後までいい子だねぇ~!?もしかすると人生二周目とかかもしれない。ありえる……。わたしが順次郎くらいの年頃はなんにも考えずに庭を走り回っていたからな……。
つづく