しばらく放蕩の旅を続けてしまったので、ここらで百鬼衆討伐しておくか。弥助のクエストに、剣の師範である上泉先生のところを尋ねるというのがあったので向かってみる。ということで、今回からしばらくは百鬼衆の一人、小面を追うことになる。
前回の記事はこちら。
上泉信綱との思い出

上泉先生は安土城にある訓練所のそばに居を構えていた。向かってみると年老いた料理番と名付けられた老婆が弥助を見るなり感謝を述べていた。誰だ?わたしの記憶にはないが、弥助と何かあったのかな。

上泉先生の家の襖を開けると、立派な鹿の角の飾り物のそばに文が置いてあった。弥助がそれを読むと、回想が始まる。

天正九年の春。弥助がまだディオゴという名前だった時。信長に気に入られてポルトガルの宣教師の下から離れた後、上泉信綱(かみいずみ のぶつな)のもとで剣の修業をすることになったときの記憶らしい。

まだ赤い服を着ている。上泉先生というのは奥にいる老人のほうだ。結構な御年に見えるがいくつくらいなんだろう……。右側にいる人は丸目長恵(まるめ ながよし)という名前らしい。上泉先生の弟子の中でも、たぶん上位の人なんだろうな。
丸目いわく、ディオゴには織田信長が戻ってくるまでの一ヶ月で力と技、忠義の心を持つ一流の剣士になることを望まれているらしい。一ヶ月で一流の剣士に!?ここから入れる保険があるんですか!?

流儀を会得するには、教えを学ぶだけではなく、生きる道とする必要があるらしい。たった一ヶ月でそんなこと……出来るかな……。不安しかないぜ。
まずは小手調べという感じで丸目長恵と一戦交えることになった。軽い気持ちで戦おうとしたんだけど、マジで一切手が出せなかった。つええ。いや、ディオゴが弱すぎる。伸びしろしかないぜ。楽しくなってきやがった。
修練場の階段の先に家があるのでそこへ行けと言われ、ボロボロの身体で向かうことになった。試合を見ていたギャラリーたちも、あれは腕試しではなく袋叩きじゃと散々な言い様。まぁ、今はね……。一月後にまた着てください、ほんものの試合ってやつを見せてやりますよ。

家につくと、男が三人も集まって料理番に文句を言っていた。献立が気に入らなかった様子。俺達の師匠は織田信長の客人だぞ、という謎の理論を振りかざし、料理番を突き飛ばす始末。オイオイオイ、武士の風上にも置けねぇなァ~?
これを見たディオゴが止めに入ると、こいつらはこんな者がまさか上泉先生の弟子ではあるまいな、落ちぶれたものだとめちゃくちゃバカにしてきた。真田先生が知ったらなんと申されるか……とか言っていた。弟子がこの程度では真田先生とやらの格も知れたものだなァーッ!?
ディオゴは男らを気にも留めず、まず料理番を心配した。出来た男やで……。

無視された男は激昂し、目上の者には平伏せよと習わなかったのかと怒り狂っている。目上の者……?この場に目上の者が、おるのか……?はて……。雑魚しか見えんがなァーッ!?!?
そんなわたしの心境とは裏腹に、襲いかかってくる男たちの攻撃を捌ききれる技量のないディオゴは叩きのめされてしまった。くそッ……力が……力が欲しい……!!

男は地面に横たわったディオゴの姿を見て、笑いながら何処かへ去っていった。くっそー……。
そうしていたら丸目長恵が追い付いてきて、家に一緒に入ることに。どうやらこの家はディオゴの住居になるようだった。信長の客人という立場であるため、このようなもてなしをされているのだろう。有り難いやら、申し訳ないやら……。
丸目長恵は明日も稽古は続くぞと言って出ていった。家に一人になったディオゴは泣いていた。かと思いきや、牛の骨のような形の装飾品を手に取り、己に課した誓いを思い出していた。

逃げることも、しくじることも出来ないと自分に言い聞かせていた。誓いとはなんのことだろう。どんな使命があって生きているんだろう。その日はそのまま眠りについた。
お市の方

翌日、来客の音で目覚めると大きな男が立っていた。熊という名前らしい。可愛い~!身体は大きくて丸くて、しかし眼光は鋭い。お市の方がお会いになられると言って、家から出るよう言ってきた。

こ、この方がお市の方。その唇から発せられる声はまさしく CV: 早見沙織……!!
透明感があり、可愛らしくも芯のある女性らしい声。ハァーッ!!はやみん!!可愛いお声ですね!!お市の方!!顔もなんとなく現代風でめちゃくちゃ好み。ヨシ!!
お市の方は信長の妹君らしい。そうなんだ。
お市の方は、ディオゴが昨日男たちと揉めたことを知っていた。ディオゴはそれが誰か知らずに騒動になったが、ここで真田流というところの門下生だったことを知る。真田正豊(さなだ まさとよ)を師とする真田流の者たちは、信長へ忠誠を誓うために安土城へやってきたらしい。

そんな人達だったとは知らなかったディオゴは、揉め事を起こすつもりはなかったと弁明するが、お市の方はディオゴが料理番をかばった事で起こった揉め事だということを知っていた。関わりのない人の為に立ち上がった異人というのを見てみたくて、朝から来てくれたらしい。結構ミーハーな所ありますね?
お市の方はディオゴに興味津々な様子で、色々質問をしてくる。どうやってこの地にやってきたのか、何故来たのか、いつまでいるのか。どうしてすべてを捨ててこんな遠いところまで来たのか?お前は何者なのか?

空港の入国審査かよってくらい色々聞いてくるが、ディオゴは全てには答えず、今日は所用があるので……と逃げた。お市の方はそれ以上追求せず、行く前に渡すものがあると言って女中に何かを運ばせた。
持ってこられたのは小袖だった。昨日助けた女中が縫ってくれたものだという。一晩でこれを!?ばあちゃん、すげえな。ディオゴのためにってことはサイズも合っているのだろう。大きい小袖を縫うのは大変だっただろうな……。

稽古の日々

早速、女中が縫ってくれた小袖を着て稽古に励むディオゴ。最初は剣に振り回され、身体がついていかない様子……。

この頃、ねね様に書道を教えてもらうようになったんだろう。最初はうまく書けず、出来上がった書も上泉先生に破られてしまった。なにも破らなくても……と思うが、これは演出だろうし仕方ないね。

雨の日も、晴れの日も、稽古は続く。何度も何度も繰り返し打ち合う。筆を持つ。

ある日、繰り返しの鍛錬の中で何かを掴んだ様子のディオゴ。筆の持ち方が変わり、木剣を持つ手にも力が入る。
幾日か後、ディオゴの書は上泉先生のお眼鏡に叶ったようだった。今まで出来を見ては破られていた書を、なんと壁に貼ってくれたのだ。

よく書けたと思ってくれたのかな。いままでずっと駄目だったのが認められて、なんだかこっちも嬉しくなってくる。

打ち合い稽古でも、なんとディオゴが上泉先生に一本いれることが出来た。稽古の成果が出てきている。

これにはギャラリーもびっくり。今気づいたけど、こいつら真田流のやつらじゃねーか。見たかってんだ!
稽古とはいえ、師匠に木剣をぶち当ててしまったことに焦ったディオゴはすぐさま謝るが、上泉先生は構わないと言ってくれた。さらにはディオゴの剣を良いと褒めてくれたのだった。



ディオゴ、驚きつつも嬉しさを隠せない様子。かわいいね~!!褒められると嬉しいよね~!!
忠義

夜、布団で寝ているディオゴ。身体デカすぎて布団に収まってないのおもろ。夜中に来客があり、出てみると丸目長恵が立っていた。上泉先生が呼んでいると言っていたが、今日の稽古はもう終わっているはず……。しかし先輩がわざわざ呼びに来てくれたのだから無視するわけには行くまい。
上泉先生の家の前には沢山の人がいた。なんだ?もしかして中で死んでたりする?
誘われて居宅へ入ると、そこにはねね様の姿があった。

ねね様は、上泉先生が不在のうちに話があるといってディオゴを座らせた。秘密の話のようなので、他言はしないと約束する。
ねね様は、信長にはディオゴのような者が必要だと言う。それは身体が大きく力があるからではなく、慎み深いからだと。家名を背負った妬みや謀の心配がないから。
上泉先生はかつて信長の師だったらしい。剣術指南の礼として名刀を贈ったというが、敵対する真田正豊の流派の剣士がその刀を賭けて試合を挑み、まんまと奪われてしまったのだという。

ディオゴをバカにして、女中に献立の文句を言っていたやつらはそこの者。上泉先生は贈られた刀を奪われ面目が潰れ、信長に引け目を感じるようになってしまっているという。
ねね様は直接的には言わなかったが、上泉先生の弟子として、信長に忠義を誓う者として、その刀を取り返せと言いたいのだろう。
明日、拝謁の場が設けられるそうだ。そこには真田正豊が、奪った上泉先生の刀を差してくるだろうと言っていた。明日の拝謁の場は、皆が信長に忠義を示す場。信長はその忠義を何よりも重んじているそうだ。
ねね様はディオゴに刀を授けてくれた。ディオゴの示せる忠義とはいったいどのようなものだろう。

修練場でもらった刀を眺めていたら、上泉先生が帰ってきた様子。こんな時間に外にいるなんて珍しいな、何か憂い事か?と心配してくれた。ディオゴは先程の話をすることも出来たが、他言しないとねね様に約束したので黙っていた。
言えない事情があるのだろうと察してくれた上泉先生は、形を教えてくれた。憂いが払われるまで形を続けよと言って、上泉先生は去っていった。

ディオゴは言われた通りに形を続ける。己のあるべき姿とは……と悩んでいると、自分のすぐ後ろで同じように木剣を振るう子供がいた。いつの間に背後を……。こいつ、出来る……。
強くなりたいと眩しい笑顔で言う子供に、自分もまだ修行中の身だと言うディオゴ。目指すなら上泉先生だと言ったが、子供は自分のじいさまのようになりたいと言った。じいさまは武士だったらしい。

じいさまは弥助という名前で、勇ましく、優しかったのだと話してくれる子供。困っている人に名前を呼ばれると必ず助けに行ったのだという。
その話を聞いて、「弥助」という名前になにか感じるものがあった様子。ここで繋がってくるのか……。
弥助の誕生

信長の前に臣下たちが集まり、様々な品を忠義の証として献上している。真田正豊の番らしいが、ディオゴは上泉先生の静止も構わず信長の前まで歩み出る。
信長は発言を許可し、ディオゴは真田流の剣士に果たし合いを申し込みたいと言い出した。真田正豊は無礼だと怒るが、信長がそれを止めた。

信長は面白そうだと思ったのか、果たし合いを許可でなく命令した。やれ、と。それを聞いた真田正豊は、自分とこの剣士は三人相手でも勝ったぞと言ってきたが、ディオゴは三人でも三十人でもいいぞと返す。刀は返してもらう、とも。

上泉先生、門下がやらかしているので止めるべきなんだろうけど刀取り返してくれるって言ってるしど~しよ~!?って感じ。見守ることしか出来ない……。
真田流の門下が竹刀を持ってこようとするが、ディオゴはそれを制し、真剣でやろうと提案する。貰ったばっかりの刀つかってみたいよなー!!

相手は三人、初日のあいつらだ。一ヶ月の鍛錬の成果、見せてやるよ……。
信長の合図で試合が始まる。文字通り真剣勝負だ。とはいえ、こちらは糧食を使ってもいいらしい。なんて親切なんだ。何度か糧食で体力を回復する。スキルも使えないのでちゃんと相手の攻撃を避けたり受け流したりしながら、なんとか三人を倒すことが出来た。

真田正豊から刀を取り戻し、上泉先生のもとへ向かう。跪き、お納めくださいと刀を差し出す。上泉先生はなんとも言えない表情で受け取ってくれた。

そのまま踵を返し、信長の下へ。信長は果たし合いを見て、ディオゴの忠義と勇気を褒めてくれた。その忠勇に対して褒美もくれるという。褒美の内容は、ディオゴを侍と認めてくれるというものだった。

ヤッター!これからは侍だ。侍になるにあたって、さすがに名も変える必要があるらしい。これからはなんと名乗るかと聞いてくれたので、ディオゴは答えた。
「弥助」と。

その後

ディオゴは侍となり、弥助と名乗ることを許された。上泉先生は松の木を例えにし、立派になるためにはしっかり導いてやる必要があること、木も自ら伸びたいと願うことの二つがなければ叶わないと教えてくれた。
弥助が自分も指導に相応しいものでありたいと言うと、上泉先生は相応しいに決まってるだろと言い切ってくれた。遠い異国から来て、枷を打ち壊し、言葉まで会得している。異国の侍なんて前代未聞だけど、織田信長にその才を見出されたのだと言ってくれた。
新陰流の中でも最も先の楽しみな者となるかも、と……。え~~上泉先生、めっちゃ弥助のこと評価してくれてんじゃん!!うれし~~!!

これには弥助もニッコリ。わたしまで嬉しいよ……!
その後、上泉先生は新陰流の歴代、優れた門人の名を記した巻物をくれた。この人たちを倒せば、新陰流門下筆頭の剣士になるだろうと。ほほーう?挑む覚悟が決まったら巻物を開いて名前を見るが良いと言われた。後で見てみよう。
――というところで、回想終わり。我に返るとそばには熊がいて、小谷城へ来てくれと言っていた。結局上泉先生には会えなかったが、どうやら安土城を出て居宅を別の場所に構えている様子。一段落したら会いに行ってみよう。
さいごに

弥助の回想編だけで一記事できちまった……。面白すぎるぜ。果たし合いの時にめちゃくちゃダサい BGM 流れてきた時は気が抜けたけど、それ以外はかなり楽しめたカットシーンだった。かなり気合入ってるストーリーだなと感じる。続きが楽しみだぜ……。
つづく